南アジア スリランカ・ネパールで英語を学ぶプログラム

体験者の声

■スリランカ:松本直素様2005年津波災害救援活動および医療事情レポート

「光り輝く島、スリランカ。

こちらに来て一週間が経過しました。

この間、津波被害の被災地や、被災地の学校を訪問して、衣服や楽器、時間を知らせるための時計台の寄贈などをNPO法人TFGに同行し、セレモニーに参加したりしていました。


行政の対応の遅れにより、未だ多くの国民がテントや仮説住宅で暮らしています。

そんな人たちは、食料も最低限のもので生きているようです。

そんな中でも、子供達が輝くような目で、きらめくような笑顔で迎えてくれたのが、嬉しくもあり感動でもありました。


この国の特徴のひとつとして、政府の力の強さがあります。

津波被害に関する他国からの支援金も政府に入るため、効率よく被災民には届きません。

理由のひとつとして、他国からの支援も、金額を提示されただけで、未だ、入金されていないから、というのが政府側の言う理由のひとつになっています。


この国で、まともな家を建てるためにはおよそ250万ルピー(1Rs=約1円です)程度が必要ですが、国から約束されているのは、家が全壊した場合で25万Rs,半壊で15万Rsだけです。

また、家が辛うじて残ってそこで生活している人たちも、海辺から100mの場合、強制的に移動命令が出ています。


私がステイしている家は、父親が石油関連の技師でサウジアラビアに出稼ぎに行っているので、日本の平均月収の半分ぐらいの収入が月にありますが、震災にあったような漁業民は、およそ、10000Rs/monthほどの収入で生活しています。


その場合、食費だけで、収入のほとんどが消えてしまいます。

そんな人たちが、政府の支援金だけで、新しい家を建てられる訳も無く、困惑しているというのが現状です。

津波被災地に行った際も、垂れ幕を大勢で掲げ政府に対して改善をアピールしている姿が見受けられました。


また、途上国特有の貧富の差も大きくあります。

これも政府の力が強く、そもそも教育システムが、貧富の差を生むような要素を含んでいるからです。


こちらでは、5歳になると公立の学校に全員が通います。

卒業までは13年間、18歳になるまで基本的には通学しますが、16歳になったときに大きなテストが行われます。

これに合格するのは、およそ15%だけ。

落ちた生徒は学校を離れ、自費で職業訓練校に通うか、露天商のような小さな仕事を手伝うか、無職となり家にいるか、などの道を選ばなくてはなりません。


また、受かった生徒は卒業後、もう一度大きなテストがあり、これに受かる約20%の生徒だけが、エリートとして政府関連の仕事につき、いろいろ優遇されることになります。


例えば、あまり働かなくてもいい(といろいろ教えてくれた人が言っていた)とか、年金が貰えたり(他の人には年金という制度は反映されません)、年に3回無料で国内の旅行ができたり、などです。

もらえるサラリーは2万Rs程度だそうで決して高額ではありませんが、他の国民よりは安定しており余裕のある生活が送れるようです。


そのような制度であるため、途中で脱落した人たちや、能力はあっても、政府を快く思わず政府の機関で働く道を選ばなかった人達(国民の多く)は、当然政府を良くは思っていません。


一方で良い面もあります。

医療に関して言えば、各市に政府が建てた病院が存在し、全ての国民が無料で医療を受けることができます。

民間病院も存在しますが、この国では、医者も固有の病院に属するのではなく、個人事業主となり、診察室など場所を医療機関に借りるという体制をとっているようです。


ですから多くの医者は、政府運営の病院をメインにし、曜日や時間帯により、メインの病院が終ってから、民間でも働く体制をとっているようです。

したがって、提供される医療、エキップメントの質も、政府機関の方が良いようです。


民間病院にかかるメリットとしては、お金がかかるものの、空いていて早く見てもらえ、入院する場合でも部屋が 綺麗などの理由で、一部のお金持ちが行くという状況のようです。



2005年5月28日


今日は、現在滞在しているガンパハ市の病院を訪問しました。

施設を見学しながら、直接院長先生からもお話ししていただきましたが、悲しいかな、半分くらいしか解らない。。。

解った範囲でお話しします。

ガンパハ市(人口は何人かに聞いたが、だれも知らない・・・)には、政府運営の病院が三つ、個人で運営されている病院が1つあります。


今回訪問した病院のひとつは、政府運営のもので、この市で一番大きなものでした。


病床数は580床、ドクターは100人、ナースは260人だそうです。

現在、入院患者は450人、外来には900人/日程度の患者が来院されると言っていました。


大きな特徴が二つあると話してくださいました。

一つは、患者さんに費用が一切かからないこと。

費用は100%政府からまかなわれるので、患者負担はまったくありません。


もう一つは、どの政府運営の病院にかかっても、同じ医療が受けられること。

ガンパハ市に関して言えば、3つの病院で連携が取れているので、このうちのどの病院にかかっても、必要であれば、設備の整った病院(必要であれば、コロンボのもっと大きく、設備の整ったところへ搬送するとのこと)へ、行き、出来うる限り最高の医療が受けられると申しておりました。


病室は1mくらいの高さの敷居で区切られているだけで、その中に、6~8個のベットが並べられていました。プライバシーは全くありません。

外来も会計も、座って待つのではなく、皆それぞれの窓口、診察室に長蛇の列を作って並んでいます。外来待ち時間なんて、答えてももらえませんでした。

それでも、無料だから多くの国民は政府運営の病院に行きます。


X-線室には、4年前に購入した透視台、一般撮影装置、ポータブルがありました。

透視台はデジタル関係のパーツが壊れているが、アナログパーツは動くのでほぼ問題無いとのこと。

ちなみにこの装置はシマズ製で、2500万で購入したとこのと。

その内1000万程度が税だそうです。


コロンボの病院なら、高額の運営費が降りるので修理ができるが、この病院では、資金が無く簡単には直せないそうです。


なによりも、病院から発するあまりにも大きなマイナスエネルギーに圧倒されました。入ってすぐに逃げ出したくなるような、圧倒的な暗いエネルギー。

日本の病院では、ここまで感じたことはありませんでした。


個人病院も少し見ましたが、ベット数20床。

ベット代が2000Rs/日。

医者の診察があると+2000Rsがかかるとの事。

医者は、ほとんどの医者が日中は政府の病院で働いていて、夕方からプライベート病院に来るということなので、昼間はほとんど医者はいません。


たいした設備では無い(X-線装置は20~30年くらい前のものが一台だけあり、撮影したフィルムは外に干すという見たことも無いような単純撮影のもの)ですが、待つことはほとんど無く、やはりお金のある人はこちらを選ぶようです。」


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